臨床検査部門(遺伝子・細胞療法)

遺伝子・細胞療法部門は、輸血、移植、遺伝子検査を主業務とする診療支援部門です。輸血に関連する業務は血液型や交差試験などの検査、輸血用製剤の保管管理など、移植関連業務はHLAタイピングや移植関連抗体検査、遺伝子検査は造血器腫瘍キメラ遺伝子や感染症関連遺伝子検査を行っており、造血幹細胞移植のための細胞処理、CD34細胞測定も行っています。当部門は臨床科に係る業務が多く、他施設では経験し難い症例や研究に携わる機会を通して有用なキャリアアップを図ることが可能です。

部門員構成

臨床検査技師8名

遺伝子細胞療法部門の担当業務

  • 輸血製剤管理と輸血検査
  • 血液型、不規則抗体検査、血小板不応時の抗体検査
  • 移植に関する業務
  • 末梢血HLAタイピング
  • 造血器細胞移植のための骨髄、末梢血幹細胞、臍帯血の凍結保管
  • 臓器移植のためのHLA抗体検査
  • 顆粒球抗原抗体検査
  • 遺伝子検査
  • 細胞表面マーカー検査

【輸血、造血器移植に係る検査】

自動輸血検査機器オーソ社のAutuVue2台を使用、2014年度には血液型検査7,780件、不規則抗体検査9,251件を行っています。

造血器移植に協力し、CD34%測定(CantⅡを使用しBD社にて測定)、冷凍保管、骨髄血清除去を行っています。

【臓器移植に係る検査】

BD社CantⅡ使用し、リンパ球交差試験を実施。

ルミネックスを使用し、患者HLA抗体検査、患者ドナーの末梢血HLA-DNAタイピングを測定しています。

(日本組織適合性学会主催QCWS参加 2015年DNAタイピング、抗体検査はA評価結果をいただきました)

【遺伝子検査】

当院では主に造血器腫瘍遺伝子検査を行っています。M-bcr/abl キメラ遺伝子、m-bcr/abl キメラ遺伝子、μ-BCR/ABL キメラ遺伝子、PML/RARα キメラ遺伝子、MLL/AF9 キメラ遺伝子、CBFβ/MYH11 キメラ遺伝子、NPM/ALK キメラ遺伝子、FIP1L1/PDGFR キメラ遺伝子、DEK/CAN キメラ遺伝子、HTLV1-PX領域遺伝子、JAK2遺伝子変異、AML1/MTG8キメラ遺伝子定量、PML/RARαキメラ(bcr1)遺伝子定量、PML/RARαキメラ(bcr3)遺伝子定量。そのほか、研究においてEBV,CMVの定量や、シーケンサーを利用しての遺伝子解析をも行っている。

【細胞表面検査】体、顆粒球抗原抗体、血液腫瘍細胞の分類などを行っています。

資格

【施設認証】

  • 日本輸血・細胞治療学会I&A 認証施設

日本輸血・細胞治療学会認定医制度 指定研修施設日本輸血・細胞治療学会認定輸血看護師制度 指定研修施設日本輸血・細胞治療学会認定輸血検査技師制度 指定研修施設ISO1900、ISO15189認証施設

臨床医による講演

【個人】

  • 日本輸血・細胞治療学会 認定輸血検査技師 4名
  • 日本輸血・細胞治療学会 I&A視察員 1名
  • 日本輸血・細胞治療学会 評議員 1名
  • 日本輸血・細胞治療学会、日本造血細胞移植学会 細胞治療認定管理師 4名
  • 日本組織適合性学会 HLA認定検査士 1名
  • 日本臨床検査同学院 緊急検査士 2名
  • 日本臨床検査同学院 初級遺伝子検査士 1名

学会研究活動

  • 好中球抗体検査
  • 生体肝移植におけるNK細胞ライセンス機構の臨床的影響
  • 臓器移植急性拒絶に伴うHLA抗体のモニタリングの解析
  • 臓器移植における補体結合性DSAの解析
  • 制御性T細胞とFOXP3mRNAの発現の変化と臨床的意義の解析
  • 免疫不全症患者における血中EBV、CMV定量測定
  • RT-PCR法によるFLT/ITD変異検出の有用性

表彰

  • 日本輸血・細胞治療学会 認定試験成績優秀者表彰 2012年5月
  • 文部医育等関係業務功労者表彰 2013年、2015年